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【完全解説】「暗く黒く」全文を丁寧に解説してみた【ずとまよ】

皆さんは「ずとまよ」というアーティストをご存じですか?

正確には「ずっと真夜中でいいのに。」という名称で活動している、最近多いいわゆる覆面系(というのかな?顔出ししない系)アーティストです。

かくいう私も大変敬愛しており(言い方😓)、出勤中やデスクワーク中(そして今も!)に聞いているんです。

今回、「ずとまよ」の楽曲の一つ「暗く黒く」に、心に刺さってなかなか抜けない歌詞があり、色々考える時間があったので、それを記事としてまとめてみました。

先にお断りしておくと、「暗く黒く」についてはすでに色んなサイトで解説されており、すでにそれらのサイトをご覧になった方も多いかと思います。

それらは基本的に「さんかく窓の外側は夜(映画版)」を契機に書かれたものばかりで、ぶっちゃけあまりしっくりきませんでした(原作漫画は読んだことありますよ!)

その意味もあって「他の方の解説とは大きく違う所」が「たくさんあります」ので、予めご了承下さいませ!

本家MVは以下をご覧ください!

書いてること

「暗く黒く」歌詞を全文徹底解説!

されそれでは歌詞の解説に移りましょう。

ここでは、原文(歌詞)をフレーズごとに、対訳(意訳)と解説とを記載しています。
文末に、対訳・意訳のまとめも記載しますので、一気に読みたい方はそちらをご覧ください!

「暗く黒く」歌詞意訳全文にジャンプする

「暗く黒く」イントロの全文解説

中盤・終盤とは違ったスローテンポでキャッチーなイントロから始まります。

さっそく一文ずつ見ていきましょう。

触れたくて 震えてく声が

誰か(何か)を失って、その大きさに気づき涙が溢れてくる

ここはほとんど文字通りの訳ですが、それが「誰か」「何か」というのは未定のままです。

しかし少なくとも、月並みな別れ話のシーンを描いたものではないと思います。
それは「震える声」ではなく「震えてく声」としているから。

「震えてく声」と感情の遷移を表してるのは、ひとつのシーンではなく、日常的な中での変化を表してるのではないでしょうか。

勘違いしては 自分になってく

それが、演技なのか本心なのか、自分すら分からない

「勘違い」思い込むこと、「自分になる」自分の本心になってしまう、すり替わってしまうという意味。

これも、一度や二度のことではなく、何度もそんなシーンにであり、そのようにふるまった結果、という風に捉えることができます。

成りたくて 鳴らせないが息絶えても

恋い焦がれる心が、薄れても

文字通り(相手が?)息絶えるのか、息絶えるは終わることの言い換えなのかでストーリーが変わってきます。
後続のセリフも同じです。

例えば、「(恋人に)成りたくて、(ケータイを)鳴らせない」つまり恋に臆病な初々しい恋などをを表しているのかもしれません。言い換えると、もう純粋な恋愛が出来ない、とうことなのでしょうか。

確かめるまで 終わらせないで

自分の気持ちが分かるまで、終わらせたくない

「終わらせないで」は、関係が終わる=別れる意味が一般的だと思います。

または、相手と死別するようなストーリーで、相手が死んでしまうのかもしれない。
さらに、前述の「息絶える」と絡めると、自分自身が死んでしまうケースもあり得るでしょう。

ひとつ前のフレーズをくみ取ると、初々しい恋愛が出来る、純真な心のうちに、自分の気持ちを確かめたい、という意味にと捉えられます。

ただ黙っていた
想ってるほど 堪えられた

知らないフリ、気付かないフリをしていたら、まだ我慢できた

ほとんどそのままですが、もっと奥のメッセージが隠れてる気がします。。

「ただ黙っていた」とはクールにふるまう事でしょうか。

「想ってるほど堪えられた」は、「自分が想定している通り、我慢することができた」とも読み取ることができます(その場合、後述の「自暴自棄な主人公」にはマッチしそうです)

冷え切った視界で 今日を燃やしてく

冷めきった自分は、現実の暮らしを、自暴自棄に暮らす

鬱々としてると、世の中が灰色に見えてくるものです。
この一節では、世を儚んでる自分の視界(=つまり本人にとっての世界)を表してるのではないでしょうか。

「燃やす」とは、熱意を持って日々を暮らす、ではないと思います。
むしろ、燃やす=壊す=台無しにするようなイメージ。

もしくは日めくりカレンダーを1日1日燃やすような、自暴自棄で投げやりな心象の表現ではないかと思います。

もし病床シナリオなら、命の灯を無為に燃やす、という表現もできそうです。

イントロまとめ

「何が」息絶えて、「何を」終わらせたくないかで、ストーリーが変わってきます。
この記事では主に、より一般的であろう、恋愛ベースで、内省的な意訳を採用しています。

少し前にも書いてますが、自分自身が死にかけていて、世を儚んでるストーリーも考えられるので、その世界線で考察してみても、面白そうです。

イントロは時系列については、どのあたりに位置するのでしょうか。
曲後半に比べて、献身とか生きてく強さ的な雰囲気が全く感じられません。

イントロは、ファッション的な恋愛(または生き方)をしていた「今までの自分」の事なのかもしれません。

また前述の通り、病気や何かの事情で人生を終えようとしている主人公の歌ともとれます。それこそ世の中のファッション的な(本心ではない)恋愛(や行動)を風刺しているのかもしれませんね。

「暗く黒く」Aメロの全文解説

続いて、イントロの静かな印象から、徐々にメロディが流れ始め、Aメロが始まります。

作品全体の導入文にあたります。

この辺りからようやく、主人公の人物像が見えてきて、イントロの意味合いが繋がり、意味を成す部分が出てきます。

未読にした 美学でよかった

人付き合いに対してヒロイックに浸ることがあった

「未読にした」とは、直接的にLINEなどのメッセージではなく、相手からのアクションに対して無視したり、気付かないふりをすることでしょう。

それが「美学」ということは、悲劇のヒロインを演じる節があったという自戒だと思われます。

だいじょばないって言えた程
些細な痛み 割り切ったけど

悩みをこぼしても、自分の中ではさほど深刻ではなくて、なんなく割り切れてた

例えば失恋した時、心配してくれる友達に対して「だいじょばない」っていうシーンが思い浮かびます。

本当にダメなら、その言葉も出ないはず。

「だいじょばない」というフレーズ選びからして、「自分は失恋では傷つけないんだ」的な、罪悪感のようなものを感じていたのではないでしょうか。

君に出会って 赦されてく

「君」に会うことでその気持ちから解放されていく

「赦す」は罪や義務を免除すること。つまり、やはり前述のように罪悪感が心のどこかにあり、それから解放されたこいうことではないでしょうか。

もしくは、この「君」相手だったら、今までのように感じることが無かった(=心から好きだったし、本気で悩んだりしていた)という意味かもしれないですね。

Aメロまとめ

今までの自分と、今の自分の変化を表したシーン。

「君」というフレーズが現れるのは、実は歌詞の中で唯一ここだけなんです。そのため、恋愛的な雰囲気を強く感じますね。

逆に言えば、ここの「君」の解釈を変えることで、この歌詞に隠されたストーリーは大きく姿を変えることになります。

「暗く黒く」Bメロの全文解説

Aメロに続き雰囲気が変わるBメロです。
タイトルでもある「暗く黒く」というフレーズが出てくる、「暗く黒く」の中でも重要なパートです。

全然取れやしない
やつが暗く黒く 塗り潰したとしても

心を覆う闇(悲しみ?)に囚われそうになっても、

いわゆる「闇」「病み」というものが「やつ」です。

主人公が特に病んでというわけでなく、心がふさぐとか、マイナスに考えてしまうなどの符号だと思います。

決して奪われない
インスタントな存在でも
見えなくても 此処にある

心の中に感じる、刹那的な存在でも、確かにそこにある

心が闇に包まれても、自分自身の中にある「何か」ではないでしょうか。
言い換えれば、本当の気持ち、自我、このあたりでしょうか。

他の解説サイトでは、タイアップ映画の「心霊」をかけてるって見方もありましたが、それではあまりに唐突過ぎるので「その表現を拝借した」って感じで考えました。

ここでいう「インスタント」とは「即席」という意味ではなく、「一時的」「瞬間的」という意味で、移ろう心情の一側面だと考えられます。

Bメロまとめ

タイトルの「暗く黒く」を強く表現したパートです。

自分の中の闇を自覚しながらも、対照的に自分の中に確かにある「自我」を認識していることを表現しています。

このパートではまだ前向きとは言えませんが、タイトルが「暗く黒く」ということは、ストーリーとしてはこの後も鬱展開になってしまう(=バッドエンド)なのかもしれませんね。

「暗く黒く」サビの全文解説

続いてサビです。

MVでは非常に印象的なタイミングでサビになっていて、私的にも涙をこぼすのはココです。

サビ冒頭の、力強い音調も、心地いいですよね。

守っていたいなんて 一切合切 自我の煩悩で

何かをしてあげたいって思っても、それは独りよがりでしかなくて

MVを見ると、文字通り「誰かを守りたい」という意味で読み取っても、良さそうです。

煩悩は文字通り我欲。執着とか心をかき乱すものをさします。
献身というととても良いことのように聞こえますが、むしろお節介的な、あまり歓迎されないものだと、主人公はかんがえているのでしょう。

「君」はとても純粋で、守ってあげたい。
それに引き換え私は、欲ににまみれてて、卑しい存在である。

そういう対比(心の中の葛藤)を見せているのかもしれませんね。

控えめになって 心をポイ捨てしても
きっと違うけど

それでも、諦めて身を引くのが正しいとは思えない

「心をポイ捨て」とは、自分の想いを捨てる・あきらめるという意味でしょう。

ひとつ前のフレーズの流れから、「自分は彼に相応しくないから、身を引こう、諦めよう」という表現だと思います。

「きっと違う」とは「きっと結果は変わるかもしれない」とも読めますがが、それだと「ポイ捨てしても」と繋がらなくなるため、不採用としました。

学んでしまった 気づいてしまった

自分の本当の気持ちに気付いてしまった

ここも、もっと深い意味がかくされてそうですが。。

「学んだ」ということは、行動や経験を通して知ったこと。
つまり、今までの経験則とは食い違うこと(後述)を学んだ、と言えると思います。

備えられた孤独が こんなに尊いならば

孤独に感じることを、こんなに前向きに捉えられるのなら

「備えられた」という事は、孤独が「独りぼっち」という状況を指すのではなく、「独りぼっちの時に感じる、孤独という感情」のことを指すのだと思います。

孤独なのにそれを肯定的に捉えられたり、孤独なことで「君」への想いを再認識できる(そのことを尊く感じる)、などの意味合いなのではないでしょうか。

疑う必要はない 信じてる必要もない

相手を疑ったり、信じたり、思い悩む必要はない

この一節は前後の流れでどのようにも取れるます。
むしろ、あえてそういう風に含みを持たせてるのでしょう。「自由に解釈」というより「複数のモノに対して意味が成り立つ」という感じです。

つまり、色んな物に対する「疑念」「信頼」に対して「その必要はない」ということ。

相手の自分への気持ちが信じられなかったり、自分自身の気持ちや裏腹な行動に対して悩むけど、それがそもそも必要ない。
ここでいう「必要ない」とは「報われるよ」というより「諸行無常」という意味合いだと思います。

連鎖よ続け

そして日々は繰り返す

誰かから誰かへのメッセージではなく「それでも世界は回ってく」という意味だと思います。

連鎖とは「食物連鎖」も想像できるし、人と人とのコミュニケーションの連鎖ともとれます。
つまり人間生活、この社会、生物界全体の動き、この世界といった、ダイナミクスにあふれた環境すべてを指すのではないでしょうか。

「そして時は動き出す」
「日はまた昇る」
的なフレーズですね。

サビまとめ

自分の中の煩悩と、それを振り切って「これで良い」と言える、達観(または諦観)へと移り行くパート。

2回出てくるので主題なのは間違いないと思いますが、大サビ(3回目)はちょっと変わってきます。そのため、「経過地点」だという事が出来るでしょう。

「暗く黒く」Cメロの全文解説

サビのあと、急にメロディがアップテンポになります。

歌詞に含められたストーリーでも、ここは大きな転回が含まれていると思います。

在り来たりな儀式も お上手に
切磋琢磨に踊れ 秒読み

流行にもそつなくこなすし、いわゆる「常識的な対応」だって出来る。それでも、

二節で韻を踏む構成です。
内容には大きな意味はなく、流行りもの(ダンスとか)や、いわゆる大人な対応(あるあるな対応)だって出来るよ、という事を表現していると思います。

はたから見たら自分も
「普通の女の子と同じようにできるよ」
「私が変わってるんじゃない」
「普通の女の子演じてるよ」という感じでしょうか。

もしくは、このフレーズ全体がただの穴埋めで、前述のようなファッション的な、即物的な若者社会への風刺かもしれませんね。

トライアングルな縁に浸っても
何処に居ても場所 疑うけど

例えばトラブルに巻き込まれても、どんな場所やグループに居ても
「自分の居場所が無い」って感じてしまう

トライアングルな縁(=三角関係)になるような、ドロドロな恋愛で回りを巻き込んで修羅場ってても、「自分の居場所を感じられない」ということでしょう。

トライアングルは、タイアップ先の「さんかく窓」にかけてるんだと思いますが、そこに深い意味は感じられません。

映画では三角関係(恋愛の)を描いているらしいですが、原作ではそんな雰囲気を感じられないので💦
(むしろBLだし)

鍛えられた細胞、崩してよ

色眼鏡で私を見ないで、

鍛えられる細胞としたら、筋線維か脳細胞か、です。

「崩す」となると、筋肉=筋トレになっちゃうから違うと思います。
(いきなり前向きすぎるだろ。パワー!)

脳細胞を壊す=今まで蓄えてきた知識を壊す=固定概念や常識にとらわれない=色眼鏡で私を見ないで、という意味ではないかと考えました。

もし病床ストーリーだとしたら、例えばがん細胞に侵されて「誰か私の(がん)細胞を壊して(=病気から私を救って)」という意味もありそうですね。
(ifストーリー、いつかやりたいです)

この人生が有ること 許してよ

私みたいな考え方だって、認めて欲しい

既出の「赦す」とは違い、「許可、認める」という意味の「許す」です。

文字通り自己承認という意味が一番スムーズにとれますね。
恋愛であれば、恋する相手に認めて欲しい、というのが一般的な見方でしょう。

今まで見てきたもの 全部背負って

今まで良いことも悪いことも、
いろんな経験もしてきたけど、それも受け入れて

ここも、文字通りの意味だと思います。

全部背負うのは自分自身(主人公)。
前述の「罪悪感」や「闇(病み)」も、自分で受入れ、認めて、生きていくという意味です。

生きてく怪我させて

傷ついたっていいから、生きていきたい

単に生きてく、というだけでなく、「怪我させて」というのがずとまよっぽいですね。

怪我をする(痛い思いをする)のは分かってるけど、それでも生きたい。
生きていく上で傷つくのは承知の上、という覚悟(諦めかも)を感じるフレーズです。

Cメロまとめ

転調してアップテンポなパートです。
前パート(サビ)に比べて幾分前向きで、曲調もあってかポジティブな印象を受けます。

前にも書きましたがこのパート、テンポが良く文字数も多いが、そのいくつかは語呂をあわせるための埋め合わせかもしれません。

イントロを除き、他者への問いかけはこのパートのみです。
(イントロのは神頼みかもしれないので、そうすれば、唯一他者へのメッセージを含むパートになる)
(むしろココも神頼みかもですね→病床ストーリー)

「暗く黒く」サビ②・Bメロ②の解説

サビ・Bメロはほとんど同じ内容で繰り返されます。

一部1回目と違う部分だけ、下で取り上げます。

インスタントな世界でも 触れなくても

こんな刹那的な世界でも、手に触れることは出来なくとも

1回目のBメロから上記の部分だけ変わってるのは、ここだけ。
主人公の視界や認識が変わったことを表してるのでしょう。

Bメロ①では、「確かにここにあるもの」は「自分の心・自我」でした。
自分の内面を見つめるような表現ですね。

この視点が少し広くなり、Bメロ②では「世界」に言及しています。

インスタントな世界とは、色即是空的な意味合いを持つと考えられます。
つまり、Bメロ②全体がBメロ1とは違って「自分の周りの環境」を指してるのかもしれません。
この世の中では悪意や悲惨な出来事がまん延してるとか、他者の「闇」に触れることだってあります。

世界を「色即是空」と感じるのは、そこまでに大変な思いをしたり、もしかしたら「死んだ方がいい」と自殺まで考えるような状況に追い込まれた可能性もあります。

その中でも、自分の人生はここに合って、その中で確かに生きている、という、もっと広い角度からの、再認識のフレーズなのでしょう。

サビ②・Bメロ②まとめ

サビ・Bメロはほとんど同じ内容の繰り返し。

サビ①で少し達観、Cメロでは生きる強ささえ感じる内容でしたが、そこに続くBメロ②で再びダークな展開がおこり、もう一度自分の存在を見つめなおすきっかけになっています。

ストーリーを起承転結で分類すると、3番目の「転」にあたります。

「暗く黒く」大サビの全文解説

一番最後のパートはサビと同じメロディですが、そのメッセージは幾分変わっています。
物語が進むにつれ、主人公の感じ方、その環境が変わってきたことの表れでしょう。

さて、どのような結末をたどるのでしょうか。

叶っていたいも 勝っていたいも

夢をかなえたいとか、他人に勝ちたいとかいう願望も

ここはほとんど文字通りで考えました。

「叶っていたい」とは、例えば憧れの誰かと付き合うことが出来て「ずっとこのままで、いたい」みたいな気持ち。

自尊心というより、優越感とか安定感とか、他者と比較しがちな自分の煩悩的なものだと思います。

時間の翻弄で

欲しいと願うのはその時だけ、時間がたてばどうでもよくなることもあって、

前節のような気持ちは一過性なものが多くて、好みが変わったり、誰かに勝っても、次の敵(?)が出てきたり、際限がないということを表しているのでしょう。

サビの「守っていたい」とか、曲前半に点在した「前向きな感情」に対する、反論的な表現になっています。

目指してた果てに 行き着いた先

何かを目指し続けた結果、何も得られなくても

前後からの流れで、おそらく手に入れられなかったか、手に入れたものを失ってしまった、のどちらかなのでしょう。

楽曲冒頭ではそれが「失望」的に表現されていましたが、終盤では「諦観」になってしまっています。

満たす孤独も、あるのかな

かえって満たされることもあるのかもしれない

「孤独」を文字通り読むならば「一人になって返って、心は満たされてる」「煩わしいことから解放されて、むしろ心は平穏になった」とうことかもしれません。

「あるのかな」ということは、それに今気づいたところということなのでしょう。

「最近心がザワザワしないけど、独り身の方が気楽なのかしら?」的な感情なのかもしれません。

止まってしまって わかりすぎたって

挫折して、いやというほど思い知らされても

恋愛だとしたらその関係が終わった、相手が亡くなった、など、あきらめざるを得ない状況になったということだと判断できます。

一時的には思い悩み、悲しみ、打ちひしがれたけど、それが時間とともに落ち着き、達観するに至ったのでしょう。

選び変える勇気が こんなに尊いならば

新しい一歩を踏み出すことで、こんなに前向きに考えらえるなら

「選び変える」とは、恋愛テーマだとしても「新しい恋人」ではないと思います。
彼ではなく仕事を選んだ、三角関係をあきらめ独りを選んだ、など、もっと本質的な選択の変化ではないでしょうか。

俗にいう尊いではなく、今までは得られなかった平穏だったり、前向きな感情だったり、そんな「得難い安らぎ」を尊いとしていると考えられます。

疑う必要はない 騙し合う必要もない

初めから他者を疑ったり、本心を隠し続ける必要もない

サビと違って、「信じる」ではなく「騙し合う」になってるいます。
これは、過去の自分よりはいくらか成長した(大人になった、達観した、すれた)ということの現れ・表現だと思います。

そもそも「人を信じる」ということが、選択肢にない。
その代わりに「騙す」という表現があります。

仮面をかぶって「恋愛を演じていた」、自分自身を揶揄する言い方なのかもしれませんね。
(今まで「信じる」と思っていたものは、「騙す」だけだったと、自分自身で気づいた)

連鎖よ続け

そして日々は続いてく

サビの結びと同じですが、それまでの表現や雰囲気がガラッと変わっているため、このフレーズの意味合いも違って感じられます。

サビの「連鎖よ続け」に比べ、より重たい、深い意味をもつものになっています。

大サビまとめ

主人公の心情の変化は様々な出来事を経て、心情も思考も変化し、その終着点となるエンディングです。

サビと同じメロディーながら、「若者には考えられないほど達観した見方」になってるように感じました。

前述にもありますが、この楽曲に含められたストーリーはハッピーエンドではありませんし、むしろ一般的な人生観で言えば「バッドエンディング」であると言えます。

「暗く黒く」意訳まとめ

ここでは、私が考察した意訳をまとめています。
パートごとに段落を区切っていますので、本家の歌詞とあわせてご覧ください。

(本家の歌詞は、「暗く黒く+歌詞」などで検索してみてください!)

誰か(何か)を失って、その大きさに気づき涙が溢れてくる
それが、演技なのか本心なのか、自分すら分からない
恋い焦がれる心が、薄れても
自分の気持ちが分かるまで、終わらせたくない

知らないフリ、気付かないフリをしていたら、まだ我慢できた
冷めきった自分は、現実の暮らしを、自暴自棄に暮らす

人付き合いに対してヒロイックに浸ることがあった
悩みをこぼしても、自分の中ではさほど深刻ではなくて、
なんなく割り切れてた
「君」に会うことでその気持ちから解放されていく

心を覆う闇(悲しみ?)に囚われそうになっても、
心の中に感じる、
刹那的な存在でも、
確かにそこにある

何かをしてあげたいって思っても、それは独りよがりでしかなくて
それでも、諦めて身を引くのが
正しいとは思えない
自分の本当の気持ちに気付いてしまった
孤独に感じることを、こんなに前向きに捉えられるのなら
相手を疑ったり、信じたり、思い悩む必要はない
そして日々は繰り返す

流行にもそつなくこなすし、
いわゆる「常識的な対応」だって出来る。それでも、
例えばトラブルに巻き込まれても、どんな場所やグループに居ても
「自分の居場所が無い」って感じてしまう
色眼鏡で私を見ないで、
私みたいな考え方だって、認めて欲しい
今まで良いことも悪いことも、
いろんな経験もしてきたけど、それも受け入れて
傷ついたっていいから、生きていきたい

何かをしてあげたいって思っても、それは独りよがりでしかなくて
それでも、諦めて身を引くのが
正しいとは思えない
自分の本当の気持ちに気付いてしまった
孤独に感じることを、こんなに前向きに捉えられるのなら
相手を疑ったり、信じたり、思い悩む必要はない
そして日々は繰り返す

世界が闇に覆われていても、
刹那的な世界であっても、
こんな刹那的な世界でも、手に触れることは出来なくとも
私は確かにここにいる

夢をかなえたいとか、他人に勝ちたいとかいう願望も
欲しいと願うのはその時だけ、時間がたてばどうでもよくなることもあって、
何かを目指し続けた結果、何も得られなくても
かえって満たされることもあるのかもしれない
挫折して、いやというほど思い知らされても
新しい一歩を踏み出すことで、こんなに前向きに考えらえるなら
初めから他者を疑ったり、本心を隠し続ける必要もない
そして日々は続いてく

タイトル「暗く黒く」についての解説

最後に、タイトルである「暗く黒く」について、少し触れておきます。

この記事の中でも何度か触れていますが、「暗く黒く」「塗り潰して」くる「やつ」は、ストーリーを通して払拭されることはありません。

自分の心が、自分の世界が、どんどん闇に包まれて、その中でも自分を認識して生きてく、というのが全体の流れになっていると思われます。

ちなみに英語版のタイトルは「darken」

なお、英語版では「darken(ダーケン)」というタイトルが付けられています。

ちょっとなじみのない単語ですよね。

darkenとは、「暗い」を表す英単語(形容詞)「dark」に、接尾語「-en」がついた単語。この「-en」は形容詞につなげることで「~にする」「~になる」「~にさせる」のような意味を持ちます。

つまり、日本語版のタイトル同様、ひたすら暗く黒く、塗りつぶされていく、という表現がされています。

「暗く黒く」まとめ

いかがだったでしょうか。
この記事では、私の敬愛する「ずとまよ」の名曲「暗く黒く」の歌詞を完全に解説してみました。

元々、このフレーズってどんな意味なんだろう?って思いながら聞いていた作品ではありますが、その意味や前後の流れを見つめなおすと、また違った見方が出来たり「あ、こういう意味なのかな?」と新しい発見もあり、記事を書いていてとても楽しかったです!

※文字数に対して、執筆時間が恐ろしく短い(笑)

この「暗く黒く」のMVも、前述しましたが私にとっては大ハマりした要因になったものですので、時間があればストーリー解説&考察をしてみたいと思います。

ずとまよの楽曲の歌詞は、とても特徴的なワードチョイスをしていることもあり、その意味の捉え方はまさに千差万別だと思います。

皆さんがどのように感じたか、ぜひコメント欄からお聞かせください!

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